第64回北海道手をつなぐ育成会 全道大会 名寄大会 終了報告とお礼③
大 会 決 議
満天の星、きらめき緑の里、名寄市において第六四回北海道手をつなぐ育成会全道大会が開催され、全道各地から多くの参加者が集い、「発達・教育」「就労・日中活動」「暮らす」「高齢」「育成会活動」の五つの分科会において熱心な討議がされ、心一つに、新たな知恵、新たな勇気、新たな決意を分かち合えましたことは、主催者一同、大きな喜びであります。
昨年四月、改正障害者総合支援法が施行され、重度・高齢・親なき後を見据えた共同生活援助の新たな類型の「日中サービス支援型」、六五歳介護保険の優先を原則とする「共生型サービス」、障がい者の生活を地域全体で支える仕組を強化する「地域生活支援拠点等」の事業が新たに創設されました。また、三年に一度の報酬改定も実施され、就労系サービスに於いては、職場定着や労働時間、工賃実績に応じた基本報酬が設定され、改定から一年が経過した今こそ事業所の経営実態を調査・検証する必要があります。
障害者自立支援法が施行されてから十三年、障害福祉サービスに係る国の予算は当初の4倍に膨れ上がりました。私たちは、生活を支える、命を支えるこの障害福祉制度が持続可能であり続けること、そして、障害福祉が確実に前進し続けるよう運動を展開していかなければなりません。
今大会は、「楽しく働き、楽しく暮らし、自分らしく生きよう」を大会テーマとしました。育成会運動の原点に今こそ立ち戻り「親なき後の暮らしとは」「真の自立とは」の問いを共有し、そして「真の共生社会の実現」への想いを込めました。
ここに、次の事項が早急に実現されるよう、関係各位に強く要望していくことを、本大会の名において決議します。
記
- 子どもたちの発達支援と家族支援の体制整備
- 子どもたち一人ひとりのニーズに応じた療育の保障と家族支援の確立
- 障害のある人もない人も共に学ぶことを通して共生社会の実現を目指すインクルーシブ教育の推進
- 子どもやきょうだいに障害があることによって起きる家族の社会的孤立を防ぐための相談支援の強化
- 身近な地域で教育を受ける権利の保障と高等支援学校入学選抜方式の見直し
- 障害者総合支援法が持続可能となる社会保障制度の確立と障害福祉関係予算の拡充
- 安定した社会生活を送るための所得保障の確立と障害基礎年金に加算給付制度の創設
- 障害の多様化に対応するためのグループホームの整備促進と必要予算の確保
- グループホーム家賃補助制度の更なる充実
- 地震や風水害などの災害時対策として障害者の命を守る視点から福祉避難所を含む防災対策の強化
- 重度心身障害者医療費助成制度を中度、軽度者にも適用拡大
- 安心して暮らせる地域社会の実現と障害福祉サービス基盤整備の促進
- 地域での身近な相談支援体制の確立
- サービス提供体制の地域間格差の是正とサービスを受ける権利の保障
- 障害の重軽に関わらず働く意欲が尊重される就労、雇用支援制度の確立
- 重度化、高齢化、親なき後を見据えた地域生活支援拠点等、日中サービス支援型共同生活援助の整備促進
- 介護サービス包括型グループホームにおいても入居者の重度化、高齢化を見据え日中支援加算算定日数上限の撤廃
- 六五歳介護保険優先の原則の機械的運用の見直しと障害福祉サービス利用継続の自己選択制の導入
- 差別や偏見、権利侵害のない共生社会の実現に向けた取組み
- 市町村虐待防止センターの整備と北海道障害者条令の推進
- 障害者差別解消法及び合理的配慮の周知、啓発活動の強化推進
- 本人の権利が擁護され、使いやすい成年後見制度への見直しと意思決定支援の確立
- 障害の有無に関わらず互いに尊重しあい、命と尊厳が守られる社会の実現
以上、決議します。
令和元年七月二八日
第六四回 北海道手をつなぐ育成会全道大会 名寄大会
- 2019/08/27(火) PM 02:39